11:00 美術館に行きたいとき

11:00 美術館に行きたいとき

舗道に落ち葉が敷き詰められ、紅葉も見ごろを終えたある日。予定はない。することもない。行きたいところも特にはない。

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誰とも会う予定のない一人だけの時間ほど身の回りを整えたり丁寧なおしゃれをしてみたくなる。
どうせなら自分のためにお気に入りの洋服を着て、お気に入りのバックや時計やアクセサリーを身に着けて出かけよう。

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今日はあんまり人が多いところやガヤガヤしたところは避けたい気分。
ゆっくりとじっくりと流れていく時間の中にいたい。
ゆっくりと自分のペースで歩きながら時折じっと佇んでみたい。

そう考えながらたどり着いたのが美術館。
今はどんな展示をしているんだろうかと、調べてみたらちょうど興味の湧く内容の展示のようだから観てみよう。

美術館に入ったならまずはチケットを買って、大きな荷物はコインロッカーに預けなきゃ。
貴重品だけを身に着けて、受付に並ぶ。せっかく一人だけの時間なのだから音声ガイドもつけてもらって、自分だけの美術館ツアーをスタート。

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美術館に来ている人たちは絵画の一点一点に集中し、じっくりと眺めながら時間を過ごしていて、まるで絵画の中の別世界を楽しんでいるように見える。
ある一つの絵画の前にじっと佇む人、一つひとつの絵画をまんべんなく近づいてみる人、ソファに腰かけながら絵画を見渡す人、それぞれがそれぞれの世界の中で”絵画”と”自分”と向き合っている時間。
不思議な静寂に包まれて耳に届くのは音声ガイドの声だけ。

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美術館を後にして、近くのカフェで少し休もう。
そういえば、すごく印象に残った絵画があって館内の物販スペースでその絵と同じはがきを一つ買っていた。
ある画家の晩年の作品。目の病気によって失明同然になったにもかかわらず描き続けた絵の1作。色の識別さえできない視界の中で描いた絵の1作。
その絵の力強さに背中が押された気がした。

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この絵ハガキはしばらく部屋に飾っておこう。